原子の中心にある原子核には、2種類あります。
- 安定した状態のもの
- エネルギーがあり余って不安定な状態なもの
1.のような状態の原子核は、あり余ったエネルギーを出して安定した原子核に変わろうとします。
この時に出すエネルギーが「放射線」です。
図のように放射性の性質によって、通り抜けるレベルが異なります。
「放射線」と「放射能」の違い
「放射線」は、原子核から出てくるエネルギーそのもの。
「放射能」は、放射線を出す能力。
例>懐中電灯に例えると…懐中電灯の光を出す能力が「放射能」、懐中電灯から出る光が「放射線」、懐中電灯自体が「放射性物質」
日常生活の中での放射線
私たちの日常生活では、自然放射線と人工放射線を受けていますが、放射能が年間52ミリシーベルト※(放射線の単位)以下であれば、それ程の危険はないとされています。
- 自然の放射線(一人当たり/年間):2.4ミリシーベルト
- 内訳:宇宙から0.4ミリシーベルト/大地から0.5ミリシーベルト/食物から0.3ミリシーベルト/呼吸から1.2ミリシーベルト(主にラドン)
- 航空飛行機旅行(東京-NY往復):0.2ミリシーベルト
- 人工放射線
- 胸部エックス線コンピュータ断層撮影検査(1検査当たり):6.9ミリシーベルト
- 一般公衆の線量限度(年間)※医療は除く:1.0ミリシーベルト
- 胃のエックス線集団検診(1検査当たり):0.6ミリシーベルト
- 胸のエックス線集団検診(1検査当たり):0.05ミリシーベルト
体内や食物の中に含まれる放射能
体重60kgの平均的な日本人の体内には、カリウム40が4000ベクレル※(放射能濃度の単位)、炭素14が2500ベクレル、ルビジウム87が500ベクレル、鉛210・ポロニウム210が20ベクレル含まれています。
1kgの食物の中に含まれるカリウム40の放射能の量
ビール:10ベクレル/白米・食パン:30ベクレル/牛乳:50ベクレル/魚・牛肉:100ベクレル/生ワカメ・ほうれん草:200ベクレル/ポテトチップ:400ベクレル/干ししいたけ:700ベクレル/干物:水分が殆ど無いので、1kg当たりの放射能は多くなります。